マイライフ

オレの分身は、広島入団5年目を迎えた。
個人記録では順風満帆。新人から4年連続5冠(首位打者本塁打王打点王最多安打・最高出塁率)に加え、4年連続ベストナイン、3年連続ゴールデングラブを受賞している。記録も次々と塗り替え、4年目の9月に早くも通算800号本塁打を記録した。
しかし、不思議と優勝には縁が無い。
入団1年目にチームは優勝するも、シーズン終盤に故障し、2軍落ち。その後日本シリーズが終わるまで1軍から声がかからず、そのままシーズンを終えた。
2年目からは大補強を続ける阪神が3年連続V。FAで大物を次々と獲得している。小坂(前ロッテ)・黒田(前広島)・石井琢(前横浜)・SHINJO(前日ハム)・井口(前ダイエー)・小笠原(前日ハム)、さらにオリックスと契約がこじれたオーティズ。少々ポジションの被りもあるが、早々たるメンバーだ。ちなみに、正二塁手だったマコト(今岡)はFAで中日に移籍。中日はこの他に近鉄から中村を獲得し、3番マコト・4番中村という確固たる主軸が出来ている。
阪神の投手陣の柱は井川だ。先発は他に広島から移籍の黒田、成長著しい久保田、中継ぎから転向の吉野などがいる。抑えは安藤が堂々とつとめ、リーグ屈指の安定感を誇っている。
一方、我が広島だが、ハッキリ言ってしまえば嶋とオレでもっているようなモノである。若い戦力が育ってきてはいるものの、阪神にはまだ及ばない。
打撃陣はまだ良い方なのだが、投手陣が大問題である。先に触れたように、エースの黒田がこともあろうかライバルの阪神に移籍してしまい、計算できるピッチャーが2005年のシーズンに獲得したキャメロンのみ。コマ不足でかなりベテランの域に入っている高橋や、能力の高くないデイビーやベイルに頼らざるを得ない現状だ。中継ぎ陣もピリッとせず、中盤に手痛い大量失点を重ねることもしばしば。抑えにはずっと永川が起用されているが、安定感を欠いている。
オレは今シーズン中にFA権を獲得する。チームを出るつもりでいるので、最後にこのチームで優勝したい、と願っている。